大分県竹田市九重野の農業、熊谷洋一さん(78)が10月初旬に、真ん中から黄色と緑色に縦に分かれたカボスの実を収穫した。「栽培歴は50年になるが初めて見た」というレア果実で「宝物をもらったようでうれしい」と喜んでいる。
別々の品種をつなぎ合わせたように見える突然変異。大分県農林水産研究指導センター農業研究部によると「筋が入ったりするケースはよくあるが、きっちり半々というのは極めて珍しい」。
「豊のみどり」という品種で、直径は約5センチ。10月4日の収穫時に発見した。「白いものが見えたので病気かなと思って切り取った。よく見ると色が真っ二つに分かれていたのでびっくりした」と振り返る。
近隣にある6軒のカボス農家に聞いたが「誰も見たことがなかった」と話す。「完成度が高すぎて、妻には『塗ったんじゃないか』と疑われた」と笑う。
「宝物」は現在、自宅の冷蔵庫の野菜室で大切に保存中。「中がどうなっているか気になって仕方がない」と言うが、「正月に子供や孫がそろったところで『裁断式』を開きたい」。