的に矢を当てて五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災を祈願する民俗行事の「二目川百手(ふためがわももて)まつり」が1月20日、大分市横尾で開かれた。
約490年前の天文年間(1532~55年)に始まったとされる新春の恒例行事。毎年1月20日に「頭人(とうじん)」と呼ばれる祭主の家に集まり、的射で一年の吉凶を占う。2013(平成25)年に大分市の無形民俗文化財に指定された。
頭人は、二目川地区の住民でつくる保存会約50世帯が持ち回りで務め、祭り会場を提供する習わしとなっている。今年は頭人の岩本廣己さん宅の庭に会場を設営した。
会場では、直径約90センチの的を2つ用意し、烏帽子(えぼし)姿の岩本さんと、来年以降頭人となる「頭前(とうまえ)」4人が約3メートル離れた場所から的に矢を3本ずつ放った。
関係者や地域住民らが見守る中、矢が的に刺さるたびに太鼓の音と拍手が響いた。岩本さんは「頭前の時よりもうまく射ることができた。良い年になると思う」と笑顔。今年の吉兆について、岩本会長は「ほとんどの矢が的に当たった。年の後半にはコロナも治まってくるのでは」と期待した。