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別府市の共同温泉に「昆虫食自販機」 別大生開発のゆずこしょう風味「蚕の蛹」も

ゆずこしょう風味の「蚕の蛹」を開発した田部さん

ゆずこしょう風味の「蚕の蛹」を開発した田部さん

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 別府市の共同温泉「不老泉」(中央町7)の駐車場に2月15日、食べられるコオロギやゲンゴロウなどを取り扱う「昆虫食自動販売機」が設置された。大分県内初登場で、別府大学の田部翔大さん(4年)が開発したゆずこしょう風味の「蚕の蛹(さなぎ)」も購入できる。

【閲覧注意】田部さんが開発した「蚕の蛹」

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 同大食物栄養科学部発酵食品学科の加藤礼識講師の研究室が、オリジナルの昆虫スナックを開発したことから設置が決まった。

 同研究室によると、昆虫は食料難を見越したSDGs(持続可能な開発目標)に適合した新食材として世界的に注目されている。田部さんはそうした状況を背景に「昆虫食」を卒業研究のテーマに選択。「日本らしさ」を残そうと蚕の蛹を食材に選び、1年半をかけて研究を重ねてきた。

 蚕は山梨県産。日田産のゆずこしょうに4日間漬け込み、菜種油で揚げ、ゆずこしょうパウダーをかけて仕上げた。レシピを12月までに完成させたところ「あまりにも出来が良かった」(加藤講師)ことから、急きょ商品化することにした。昆虫食を製造・加工・販売する「はまる食品」(長崎県佐世保市)と不老泉の指定管理者でビル管理会社「サンエスメンテナンス」(別府市浜脇)の協力を得て、自動販売機での販売と設置が決まった。

 「蚕の蛹」は15グラム入りで800円(現在は特別価格で700円)。より食べやすくなるようカシューナッツを同封している。サンエスメンテナンスの塩見泰美専務は「見た目とは異なり食べやすいし、辛みが効いていてとにかくおいしい」、はまる食品の諸岡健明社長は「完全に揚げ切るのではなく、中心にやわらかさを残したところが素晴らしい」と絶賛する。

 昆虫食自動販売機の設置は県内では初めて。「蚕の蛹」以外は「フタホシコオロギ」「オケラ」「アカアシトビバッタ」「たけむし」「ゲンゴロウ」「コオロギクッキー」など9種類で、昆虫食を入れた内袋を瓶詰めにして販売する(各1,000円)。ラインアップは季節などに応じて変わる。

 田部さんは「自分が作った『昆虫食』を食べてもらう夢が実現できてうれしい。昆虫そのものの見た目と風味を楽しんでほしい」と話している。

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