大分県由布市湯布院町で3月1日、「辻(つじ)馬車開き」があった。JR由布院駅で関係者が安全運行を祈願し、地元の子どもたちが初乗りを楽しんだ。
温泉地に春の訪れを告げる風物詩。1975(昭和50)年の大分県中部地震で減少した観光客を呼び戻す目的で、同年に始まった。毎年3月~12月に実施しており、駅前から温泉街や田園などを約1時間かけて巡る。
1日は由布院駅アートホールで神事を行い、駅前で出発式を開いた。関係者らによるテープカットの後、地域の幼稚園や保育園の園児らを乗せた芦毛の「ユキ」(雌・22歳)とペイント柄の「サギリ」(雌・15歳)が縦に並んで出発。温泉街に「カッポ、カッポ」とひづめの音を響かせた。
由布院温泉観光協会の太田慎太郎協会長は「コロナ禍でも途切らせることなく運行を続けてきた。辻馬車は、歩みを止めない由布院の象徴で、この音が響くと街の雰囲気が変わる。これからの観光シーズンに期待したい」と話す。
一般向けの営業は2日から。運行時間は原則、9時30分~16時で一日10便。定員は9、10人で便によって異なる。料金は中学生以上=1,800円、4歳以上=1,300円。当日9時からJR由布院駅に隣接する由布市ツーリストインフォメーションセンター(由布市湯布院町川北、TEL 0977-84-2446)で受け付ける。