大分県立美術館OPAM(大分市寿町2、TEL 097-533-4500)が3月7日、2019年度の企画展概要を発表した。夏のムーミン展、冬の岡本太郎展のほか、秋のラグビーW杯日本大会大分開催に合わせてホスト国の文化を紹介する3つの展示会を用意している。
来期もメインの企画展のほか、収蔵作品を年6回に分けて紹介するコレクション展、共催展の3本柱で展開する。
企画展は、開催中の「古代アンデス文明展」(5月6日まで)の後、「竹工芸名品展」(5月18日~6月30日)、「ムーミン展 THE ART AND THE STORY」(6月29日~9月1日)、「名探偵コナン科学捜査展~真実への推理(アブダクション)」(9月14日~11月10日)、「The Ukiyo-e 歌川派-豊春から国芳、広重まで」(9月20日~10月27日)、「日本の美意識-刀剣と金工-」(9月27日~10月22日)、「岡本太郎展」(12月26日~2020年1月24日)、「リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展」(2020年3月6日~4月19日)の7つを予定している。
竹工芸名品展ではメトロポリタン美術館の収蔵品で、美術コレクター・アビー夫妻の収集品を公開。竹工芸で初めて人間国宝に認定された大分の生野祥雲斎ら45作家による76点を、OPAM所蔵の絵画と合わせて展示する。
ムーミンはフィンランドを代表する芸術家のトーべ・ヤンソン(1914年~2001年)が生みだしたキャラクター。展示会では小説に使われた原画やスケッチ、まぼろしとされるムーミン人形やイースターカード、カレンダーの原画、銀行や新聞の広告など約500点を並べる。
ラグビーW杯日本大会の期間(9月20日~11月2日)と重なる3つの展示会は、来館が見込まれる外国人観光客に日本のアニメーション、江戸時代の浮世絵、武士の精神を宿した刀剣など、日本が誇る多彩な感覚や技術を紹介する内容とした。
コナン展は来場者自らが現場検証、聞き込みを重ねて真相を究明するという参加型イベント。浮世絵展では開祖・歌川豊春の臼杵出身説を踏まえ、広重やライバルの葛飾北斎といった絵師の個性豊かな画風を紹介する。刀剣展では大分の豊後刀、鍔(つば)や刀装具、精巧な金属加工品などを展示する。
岡本太郎は日本を代表する芸術家で、代表的な作風の絵画や彫刻、全国の文化風土を捉えた写真、太陽の塔の模型や資料を展示する。リヒテンシュタイン至宝展では北方ルネサンス、バロック、ロココ時代の絵画約60点や王族や貴族の趣味を反映する陶磁器などを通して優雅な宮廷文化を紹介する。
同館担当者は「幅広い人に楽しんでもらえるよう、バラエティーに富んだラインアップにした。いずれも中身が充実しているので、ゆっくりじっくりと味わってもらえれば」と話している。