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大分県立美術館で「歌川派」浮世絵展 臼杵出身説の開祖・豊春から広重まで

豊春の眼鏡絵などが並ぶ「歌川派」浮世絵展

豊春の眼鏡絵などが並ぶ「歌川派」浮世絵展

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 「The Ukiyo-e 歌川派 豊春から国芳、広重まで」が現在、大分県立美術館OPAM(大分市寿町2、TEL 097-533-4500)で開かれている。風景画や役者絵など約140点を並べ、臼杵市の出身ともされる豊春(1735-1814)を開祖とする、浮世絵史上最大画派の足跡をたどっている。

「反射式覗き眼鏡」から見た眼鏡絵

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 歌川派展実行委員会などの主催。江戸時代に風景版画の基礎を確立した豊春から、弟子の豊国と豊広、一門の国貞と国芳、「東海道五拾三次」の広重までを時代を追って解説。1800年前後の浮世絵黄金時代にしのぎを削った喜多川歌麿と葛飾北斎についても紹介している。

 豊春のゾーンでは西洋の遠近法(透視図法)を取り入れた「浮絵」、直筆一点物の肉筆美人画などを展示。遠近法で描いた眼鏡絵は「反射式覗(のぞ)き眼鏡」を通して鑑賞できる。豊春については、前身は豊後臼杵藩の御用絵師だった土師家の三代目・権十郎との説があり、同展でも下級武士について記した史料などを基に臼杵出身説の検証を試みている。

 広重が残した風景画の中には、中津市の羅漢寺を表した「豊前羅漢寺下道」や別府湾を描いた「豊後蓑崎(みのざき)」も。「東海道五拾三次」のコーナーでは広重が好んで用いたという鮮やかな青「ベロ藍」を生かした「京師 三条大橋」などが並んでいる。

 10月8日から作品の一部が入れ替わる。12日に内藤正人さん(慶應義塾大教授)の講演会「歌川派の芸術」、22日にフリーランスキュレーターの降旗千賀子さんによるワークショップ・レクチャー「浮世絵に見る色材の魅力」を行う。いずれも要予約。9月28日、10月19日・26日には学芸員によるギャラリートークがある。

 開催時間は9時~19時(金曜・土曜は20時まで)。観覧料は一般=800円、大学生・高校生=500円、中学生以下無料。10月27日まで。

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