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大分・臼杵市の結婚式場「キジョウカク」が夕飯弁当 臨時休校下の「家庭の食卓」支援

日替わり弁当を販売する高柳さん、藤川さん、足立さん(左から)

日替わり弁当を販売する高柳さん、藤川さん、足立さん(左から)

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 臼杵市の結婚式場「KIJOKAKU(キジョウカク)」(臼杵市臼杵洲崎、TEL 0972-83-8080)は3月5日から、小中学生がいる市内の家庭に平日夕飯用の日替わり弁当(200円)を販売する。臨時休校を受けて増えた家事の一部をサポートする取り組みで、「家族でゆっくり過ごしてほしい。食を通じて力になれれば」と利用を呼び掛けている。

キジョウカクの日替わり弁当

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 新型コロナウイルスの感染拡大防止のための臨時休校の決定を受け、総支配人の藤川七海さん(33)とグランドシェフの高柳大樹さん(45)が思い立ち、スタッフ全員の意見を集めて実施を決めた。「料理を提供する立場として、家庭で夕飯を作る負担を減らしたいと考えた」と藤川さん。小学生の子どもを持つ高柳さんも「毎日の献立を考えるのは簡単なことではない。その考える時間を子どもとの時間に充ててほしいと思った」と話す。

 メニューはサーモンソテーきのこクリーム、イタリア風ロールキャベツ、鶏胸肉のチーズ焼きトマトソースなどを予定しており、高柳さんが栄養のバランスを考えて腕を振るう。野菜本来のおいしさも味わってもらおうと、市が認定した有機栽培の「ほんまもん農産物」も積極的に取り入れる。現在は1日50食限定だが「今後は100食まで増やしたい」。

 取り組みへの賛同の輪も広がり、地域の漁師や農家などから食材が提供されるようになり、市内のキッチンカフェ「Passo(パッソ)」(臼杵市大野、TEL 0972-86-9027)も連携する形でオリジナル弁当(200円)の販売を決めた。店主の足立宏行さん(39)は「キジョウカクの取り組みに共感した。2カ所で展開した方がよりまとまった力になると思った」と意気込む。同店も50食限定で、低価格での販売を続けるため「食材の提供があれば助かるしうれしい」とする。

 こうした周囲の協力に藤川さんは「臼杵の底力を実感した」と笑顔を見せ、「今できることは現状を嘆くのではなく、助け合うこと」と力強い。

 3月27日までの平日限定で期間中は何度でも利用可能。2日前までの電話予約が必要。「パッソ」(火曜休)は30日までの平日限定で、前日までの予約が必要。引き渡しはともに17時以降、店頭で。

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