別府市の和菓子店「茶郎」(別府市石垣西、TEL 0977-22-4488)などで10月10日から売られている「別府3蜜だんご」と「別府ソーシャルディスタンス饅頭(まんじゅう)」。新型コロナを笑い飛ばすユーモアたっぷりの新商品で、ネットなどで「面白すぎる」と話題になっている。
別府市が展開する観光促進キャンペーン「別府温泉おもてなし再開」に合わせ、新しい土産物として開発した。市の外郭団体「別府市産業連携・協働プラットホームB-biz LINK(ビービズ・リンク)」のアイデアを基に同店が商品化した。
「別府3蜜だんご」(400円)は「密」と「蜜」の語呂を合わせた商品で、黒糖、抹茶、みたらしの3本を「密」状態で1セットにした。「ソーシャルディスタンス饅頭」(600円)は「ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)」になぞらえ、12個用の箱に6個の饅頭が隣り合わないように入れた。
9月23日に公開されたキャンペーン動画で、観光施設「海地獄」を背景に着物姿のおかみ3人が「3蜜娘」を名乗って登場。別府の観光施設は3密を避け、ソーシャルディスタンスを意識して営業しているとアピールした上で「おいしいおいしい3つの蜜がかかってるんですよ」「12個入りの箱に6個だけ入れて売っちょんので」と紹介した。
販売日まで間があったことから、SNSツールのツイッターは「3蜜だんご?ソーシャルディスタンス饅頭?(爆笑)」「大丈夫なのか?」「ネタかと思ったら、実際に10日から販売だって」「やばい。別府に行くしかない」などと不安と期待のコメントで盛り上がった。
10月10日は開店前から客が並び、14時過ぎには2種類とも完売した。ネット上では「和菓子としての完成度が普通に高い」「合わせて1000円はちょうどいい」などと高評価。15日にソーシャルディスタンス饅頭を味わったという大分市の40代女性は「分かってはいたが、箱を開けるまでのどきどき感がたまらなかった」、別府市の30代男性は「面白いだけでなく薄皮とこしあんのしっとり具合がちょうどいい。団子の味も申し分ないのでリピートしたい」と話した。
店には現在も全国からの問い合わせが相次いでいるという。商品開発に携わったビービズ・リンクの佐々木武さん(42)は「別府に興味を持ってもらえたのであればうれしい」と笑顔。同店社長の西貴之さん(39)は「くすっと笑ってもらえたら幸せ。味わいつつ、感染予防を意識してもらえれば」と話している。
両商品は、「茶郎」のほか、遊園地の「ラクテンチ」、地獄めぐり「海地獄」で販売している。