大分県立美術館OPAM(大分市寿町2、TEL 097-533-4500)の開館5周年を記念したイベントが10月25日、同館アトリウムや国道197号の歩行者天国会場で開かれた。大勢の県民らが秋空の下で「芸術の一日」を楽しんだ。
当初は4月24日~26日に予定していたが新型コロナウイルスの感染予防で延期。一日に集約して開催した。
午前中は1階アトリウムで記念式典を開いた後、同美術館を設計した建築家の坂茂さん、芥川賞作家の小野正嗣さん、井上洋一県立美術館特別顧問が美術館の社会的役割についてトークセッションを行った。
午後からは歩行者天国で容易に組み立て、移動できる「可動建築」の屋台などを使った「カドウ建築の宴 in OPAM」が開かれた。雑貨やフードのブースが並んだほか、画家の勝正光さんによる似顔絵制作、別府の書店・ゲンシシャのトークイベント、絵本作家のザ・キャビンカンパニーの公開制作といった催しもあった。ステージでは三味線やギターなどのライブも行われた。
15時からはアトリウムで大分市出身の美術家・新宅加奈子さんのトークイベントが開かれた。新宅さんは全身に絵の具をまとうパフォーマンスを中心に活動しており、会場では「皮膚感覚を可視化し、生きている存在を対象にしている」などと制作ビジョンについて語った。
好天にも恵まれ、会場は朝から大勢の県民らでにぎわった。大分市の30代女性は「目当てのカレーと可動建築を楽しみに来た。一日で終わらせるにはもったいない内容だった」と話していた。
大分県立美術館OPAMは2015(平成27)年4月24日にオープン。中の様子が分かるガラス張りなどが特徴。開館からの総数は294万2455人(10月19日現在)となっている。