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別府市小坂でマコモ栽培 粉末茶販売などで「地域盛り上げるブランドに」

マコモ茶の販売を開始した澤井さん(左)と野田さん

マコモ茶の販売を開始した澤井さん(左)と野田さん

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 別府市平道の小坂地区で農業活動をしている澤井和生さん(67)が、自身が育てたマコモを使った粉末茶を12月末から通信販売している。知人から「代理栽培」を頼まれたところから始まるストーリーの第1章で、「小坂ブランドのマコモとして根付かせたい」と夢を広げている。

別府市小坂発の「かがやきのマコモ茶」

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 澤井さんは大分市在住。ケーブルテレビ代理店(大分市)の社長業を退き、2020年4月、生まれ育った小坂の生家を拠点に農業で地域活性を図る「かがやき」を1人で立ち上げた。初年度は試行としてウコッケイの養育や果樹栽培などに取り組んだ。

 マコモは、大分市にある専修学校のマネジャーで、由布市で農園を手掛ける野田幸夫さん(53)=別府市在住=が持ち込んだ。昨春に奄美大島産の苗を手に入れたが、自身の農園が生育に適していなかったことから知人の澤井さんに栽培を託した。

 4月に澤井さんが借り受けた約500平方メートルの休耕田に地域の協力を得て200株を植えた。農薬、化学肥料を使わずに育て、10月下旬、約2メートルまでに伸びたところで約30キロを収穫した。

 マコモはイネ科の多年草。根元の茎はタケノコのような食感とほのかな甘みが特徴で、葉は茶などの加工品に用いられる。「かがやき」では運転資金に充てる目的で、茎を炒め物などのレシピを添えて地元の産直店に出荷。葉の部分は「体調改善用などに根強い人気がある」としてマコモ茶として売り出すことにした。

 野田さんと協力し合い、成分分析から粉末化、パッケージ作製までさまざまな課題をこなし「かがやきのマコモ茶」として商品化。12月28日からフリーマーケットアプリ「メルカリ」で販売を開始した。

 「温めても冷やしてもおいしい」という出来で「小坂の大地、太陽、水で丁寧に育てた『愛情いっぱいの一杯』を味わってほしい」と澤井さん。価格は100グラム3,000円。

 地域住民が減りゆく中で「かがやき」は自治会、公民館、知人らを巻き込んで小坂地区の再活性を目指すという。来季に向けてマコモの収量を増やす計画を練り、収穫体験などの催しも予定しているという。

 「ゆくゆくは自然と触れ合える遊び場や寺子屋のような空間にしていきたい」と野田さん。澤井さんは「別府市の高台から望む景観も魅力。マコモを足掛かりに小坂地区を輝かせたい」と意気込んでいる。

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