臼杵市の後藤製菓(臼杵市深田、TEL 0972-65-3555)は大分の銘菓「臼杵煎餅(せんべい)」を砕いて使った「チョコクランチ」を期間限定で販売している。有機栽培のショウガやブランドイチゴ「ベリーツ」といった県産素材のパウダーを活用した新商品で、「ザクザクした食感と高級な味わいを楽しんでほしい」と呼び掛けている。
「臼杵煎餅」は江戸期に参勤交代の携行食として、米や麦、アワ、ヒエなどで作ったのが始まりとされている。現在は同社などが小麦や砂糖などを原料とするせんべいにショウガと砂糖の蜜を手塗りして乾燥させた菓子として販売。伝統の味として市民に愛されているほか、臼杵の定番土産にもなっている。
クランチは、同社のせんべいとフランス産の有機チョコレートを掛け合わせた「和洋コラボ菓子」で、およそ1年をかけて開発した。せんべいを2~6ミリに砕き、チョコレートを絡め、直径約4センチの型に入れて円盤状に固めるところまで全工程を手作業で製造している。「最高の食感を楽しんでもらえるよう一つ一つ丁寧に作っている」と後藤亮馬専務(30)。
「生姜」「ベリーツ」「抹茶」の3種で、臼杵市産有機ショウガ、県産ブランドイチゴ「ベリーツ」、杵築市産有機抹茶のパウダーを使用。それぞれ「力強い辛み」「甘みと香り」「爽やかな渋み」を味わえるという。
同社は1919(大正8)年創業。本店は観光地でもある国宝臼杵石仏のすぐ近くにあり、地域の老舗として根付いている。昨年以降、新型コロナウイルスの影響で客足も減りこの1月の売り上げは前年比で約4割減という状態だが、後藤専務は「自家需要として購入してくれるファンがいるので頑張れる」と話す。
そうしたさなか、2月1日に新商品を投入。「バレンタインデーも近いので大切な人への贈り物、また、自分へのご褒美として利用してもらえれば」と期待を寄せる。
1箱8個入りで864円。同社の各店舗やショッピングサイト、トキハの本店・別府店・わさだタウン、JR大分駅、大分空港などで購入できる。4月末まで販売の予定。