別府市と大手セレクトショップ「BEAMS(ビームス)」は、別府市内の大学に通う学生とプロ編集者が制作したタブロイド紙「BEPPU* Local Paragraphs(ベップ ローカル パラグラフ)」を発行した。「共同温泉」や「下宿」といった別府に根付く文化資源の可能性を学生目線で掘り下げた冊子で、市内などで無料配布している。
立命館アジア太平洋大(APU)から19人、別府大から13人の合わせて32人が参加。昨年10月から3班に分かれてリサーチ、取材、文章作成、レイアウトなどを手掛けてきた。当初は別府大などに集まって作業を進める形を予定していたが、新型コロナウイルスの影響でワークショップはオンラインを中心に実施した。プロ編集者の川田洋平さん、桜井祐さん、瀬下翔太さんが指導に当たった。
冊子はB4判32ページ。「パブリック」「ナラティブ」「ラーニング」の3つの切り口で、それぞれ「共同温泉」「レンタル型フリースペースPUNTO PRECOG(プントプリコグ)」「寮や下宿」の現状と未来像などを紹介している。
別府大文学部の甲斐麻奈未さん(2年)と久門健太さん(3年)は「ラーニング」に参加。甲斐さんは「初めてのインタビューでうまく質問ができず苦戦したが、自分が携わったものが形になってうれしい」とし、「コロナの影響で学生生活や将来に不安を感じていたが、好きなことを仕事にしている人たちと会ったことで、まずは挑戦してみようという勇気が湧いた」と述べた。
別府で生まれ育ったという久門さんは「プロ編集者の仕事を近くで見ることができ、勉強になった。APUの学生と一緒に取り組めたことも楽しかった」と振り返った。
タブロイド紙は5000部制作。別府市役所(秘書広報課)、ビームス大分(アミュプラザおおいた)、 APU、別府大、SELECT BEPPU、B-biz LINKなどで配布している。