別府市の立命館アジア太平洋大学(APU)とオリックス不動産(東京都)、杉乃井ホテル&リゾート(別府市)が12月2日、産学連携「友好交流に関する協定」を結んだ。
連携は、オリックス不動産が取り組む、地域のブランド価値向上を目指す「地域共創プロジェクト」の一環。2023年に「サステイナビリティ観光学部」の設置を予定するAPUの、観光を軸とする教育指針との間に親和性があることから締結に至った。
人的・知的資源を交流させ、教育、文化、まちづくり、国際化などの分野で相互に協力する。ホテルなどでの課外学習を通して、学生の人材育成、地域の新しい価値創造、観光を中心とした地域の活性化を目指す。
APUの学生には、杉乃井ホテル&リゾートが運営する「別府温泉 杉乃井ホテル」で有給型インターンシップとしてマーケティングやブランディングなどの実務を学んでもらう。来秋を目標に、学生による音楽やダンス、世界の家庭料理を振る舞う屋台イベントなどを利用者や地域住民に披露する新しい観光企画「マルチカルチュラル・アクティビティ in 杉乃井」を社員と共に作り上げる。オリックスグループが運営する水族館などで「問題解決型学習」にも取り組む。課外授業は全学部対象で単位も取得できる。
締結に当たり、APUの米山裕副学長は「来年度は既存のカリキュラムを活用して対応する。新学部ができる2023年度から本格的に動かしていきたい。学生には、地域に根差して住民が気付いていない価値を見いだしプロデュースしていく体験を重ねてほしい。社会に出て観光開発の分野で役立ててもらえれば」と話した。
杉乃井ホテル&リゾートの似内隆晃社長は「世界95カ国と地域から学生が集まるAPUは、世界的にもユニークな多文化・多言語の教育環境を持つ。学生の多様な感性やアイデアを施設運営に生かしながら、地域の観光需要の底上げと課題解決を通じた人材育成につなげていきたい」と話す。
2日10時から同ホテルのひかりホールで協定締結発表会が開かれた。米山副学長、オリックス不動産の深谷敏成社長、似内社長、同ホテルの佐々木耕一総支配人が出席。それぞれが順にあいさつした後、米山副学長、深谷社長、似内社長の3人が調印式に臨んだ。式後にはAPUの学生3グループが踊りなどのパフォーマンスを披露した。