大分刑務所(大分市畑中、TEL 097-543-5177)で11月11日・12日、全国の刑務所や少年院などの矯正施設で受刑者や少年が製作した作品を展示・即売する「第36回大分矯正展」が開かれる。
刑務作業の現状と重要性を広めようと、同刑務所、大分少年院、大分少年鑑別所などが主催し毎年この時期に開いている同イベント。
即売会では全国の刑務所で受刑者が作った家具類、日用品、革靴などを販売。ガスボンベを再利用したバーベキューこんろ(大分刑務所ほか)、棒状のせっけん(横須賀刑務支所)、「○獄マーク」が付いた前掛け(函館少年刑務所)といった品が並ぶ。
大分刑務所は、総ひのき造りの犬小屋(1万5,120円)、上部に畳を張ったチェスト(3万6,720円)などのほか、ガラスペン(2,250円~)、トンボ玉(450円~)といった工芸品を出品する。同刑務所作業部門によると、ガラス加工は大分刑務所独自の作業で「ペンやトンボ玉の人気は根強い。毎年大量に買い込む人もいる」という。売り上げの一部は犯罪被害者支援団体の活動支援に充てる。
刑務所内の空気感を伝えるイベントも実施。ミニチュアの雑居房や受刑者の衣類を展示するほか、作業場、運動場、体育館などの施設見学も行う。受刑者が食べているものと同じレシピで作った「監獄カレー」(300円)も限定販売する。
そのほか、ろくろや革・ガラス細工などの体験会、大分豊府高吹奏楽部、南大分こども小潮太鼓の演奏会なども行う。
昨年の来場者数は4500人で、一昨年の3000人から1.5倍に増えた。今年は5000人を見込み、受け入れ対策として、刑務所から約1.2キロ離れたJAおおいた(大字羽屋)の駐車場を借り受けた。会場への移動手段として護送用バスを利用し、往復送迎するという。
同刑務所の担当者は「受刑者が出所した後の居場所をつくることに力を注いでいる。イベントを通してそうした取り組みへの理解が深まれば」と話す。
開催時間は10時~16時(12日は15時まで)。入場無料。