日出(ひじ)町観光協会は新ブランド「ひじめいど」を立ち上げた。埋もれがちな町の良品を「日出土産」として再生する取り組みで、第1弾として10月30日から町産ユーカリを使った消臭スプレーなどの販売を開始した。商品は随時増やして行く予定で、観光客らに新しい「ひじ」の魅力を伝えて行く。
2016年から展開している地域ブランドを高める「ひじストーリー」の一環。日出町内の企業や人が製造・販売している商品のパッケージやデザインなどを「リブランディング」し、町をアピールする新商品として生まれ変わらせる。商品には別府湾を望む風景をデザインした薄茶色の丸いシールを貼り、新しい説明書を添え、日出城址の観光交流拠点「二の丸館」(TEL 0977-72-4255)で地域特産品として販売する。
同協会の末田加良子さんがプロデューサーとしてかじを取る。「日出土産としてはカレイをモチーフにした商品などが人気だが、まだまだ絶対数が足りないと感じていた。今回の取り組みは地元の作り手にも観光客にもプラスになる」とし、「背景やストーリーがしっかりしているのに知られていない加工品を中心に取り上げたい」と話す。
ブランド第1号には、植物資源を生産する「グリーンエルム」(西野浩行社長)の「虫除けスプレー」(540円)と「消臭抗菌スプレー」(864円)を選んだ。同社が大神地区の農園で種から育てたユーカリベビーリーフを使った商品で、事業部の西野友貴さんは「ユーカリエキスは抗菌、消臭効果に優れ、持続性もある。自然素材なので肌にも優しい。もっとたくさんの人に知ってもらいたいし、使ってもらいたい」と訴える。
リブランディングに当たっては県外からプロのデザイナーを招いた。「自然」「優しさ」などをキーワードに、3人でイメージを固め、ユーカリの葉の特徴でもある「青」「緑」「銀」の色合いを取り入れて従来のデザインを一新させた。
10月30日は二の丸館に新商品の特設コーナーを設置。搬入で訪れた西野さんは新商品を手に「女性に興味を持ってもらえるようになったと思う」と笑顔で語り、「今後はアルコール消毒剤やアロマオイルなども展開していきたい」と意欲を見せた。
同協会では、第2弾に大分トラピスト修道院で作られるニホンミツバチの蜂蜜(11月3日から販売)、第3弾に竹製の箸(未定)を予定。末田さんは「地元で頑張っている作り手の応援団として、今後も日出の自然とストーリーが詰まった『ひじめいど』を掘り起こし、広く伝えていきたい」と意気込んでいる。
二の丸館の営業時間は9時~17時30分。