大分県玖珠町の万年山(はねやま)(1140メートル)で5月19日、「第70回山開き」が開かれ、県内外から訪れた登山客が雨中の登山と見頃のミヤマキリシマを楽しんだ。
巨大な溶岩のテーブル状の台地(メサ)が上下に重なる「2重メサ」と呼ばれる独特の山容が特徴。山頂までの登山道は舗装されており、途中、ミヤマキリシマの大規模な群生地もあり、登りやすく楽しめる山として人気となっている。
山開きは例年5月の最終週に開いているが、今年はミヤマキリシマの開花に合わせて1週間早めて実施した。19日は10時30分から8合目の吉武台牧場で式典を行い、玖珠町観光協会の佐藤隆会長が「今年は特に葉や花がきれい。管理を続けながら事故のない山にしたい」、宿利政和町長が「自然豊かな万年山の夏を楽しんで」とあいさつした。
登山客は雨でかすむ山道を思い思いのペースで登り、ミヤマキリシマの群生地では幻想的なシーンをフレームに収めていた。佐賀県から訪れたという50代のグループは「登りやすかったし、しっとりぬれた花もきれいだった。雨でも十分楽しめた」と笑顔で話していた。
同協会によると、ミヤマキリシマは19日現在六分咲きで、25日には満開を迎えるという。見頃は5月末まで続くとしている。