大分市のコーヒー店「Rainyday's Coffee(レイニーデイズコーヒー)」(大分市大道町2、TEL 097-507-4793)が9月28日のオープンから1カ月がたった。コーヒー、本、会話などが楽しめる店主の「接客愛」が詰まった小さな店が地域に根付こうとしている。
店主は長崎県五島列島出身の近藤一輝さん(30)。別府市の立命館アジア太平洋大(APU)を卒業後、イタリア料理店で接客やデザート作りなどについて学び、大分市内の「スペシャルティコーヒー」専門店で5年間修業した。9月に独立し、JR大分駅から徒歩約6分という街の一角に店を構えた。
自家焙煎(ばいせん)のコーヒーはブレンドのほか「エルサルバドルサンタリタ」「コロンビアハニー」など3~4種類。カフェオレ、ココア、和紅茶(以上500円)なども提供する。手作りのドライフルーツとアーモンドのトルタ(400円)、ガトーショコラ(460円)、ベークドチーズケーキ(480円)もメニューに並ぶ。販売用の豆や茶葉、ドリップパックなども用意する。
「豆にフォーカスしすぎず、昔ながらのコーヒーや喫茶店の文化をイメージしている」と近藤さん。「『ホット』と言ってもらえれば、自分なりの解釈で一番の一杯を提供できると思う」と丁寧に話す。
カウンター3席と、2人掛けと4人掛けテーブルの全9席。一人当たりの空間を広めに取り、それぞれ客同士の目線が絡み合わないよう配慮した。居心地の良さを考え、照度も落とした。店内には近藤さんが読んできた小説の文庫本など500冊以上を置いている。「自由に借りてくれていいし、気が向いた時に返してもらえればいい」。テークアウトのコーヒー(500円)も「タンブラーや水筒を持ってきてくれれば450ミリリットルぐらいは入れられる」とサービスも柔軟だ。
オープンから1カ月。出勤前に立ち寄ったり、午後のひとときを楽しんだりする客が増えてきたという。「毎日のお客さんとの会話を振り返る喜びがあり、店を開いたという実感が出てきた」と笑顔を見せる。
心の中に「常にお客さんと向き合っていたい」という「接客愛」を抱く。「いずれは故郷の新上五島町でゲストハウスを開きたい」との夢もあるがそれまでは大分に一点集中。「コーヒー、本、空間を切り口にいろいろな会話やコミュニケーションを楽しめるような店にしていきたい」と目を輝かせる。
営業時間は平日=7時~16時、土曜・日曜・祝日=11時~20時。休日はインスタグラムページで確認できる。