大分県は2月20日、県産乾シイタケの新ブランド「うまみだけ」を発表した。控えめな香りの「ゆう次郎」、しっかりとした歯応えの「にく丸」など、それぞれの個性にスポットを当て、「品種別」に販売する。
減少傾向にある家庭消費量の改善を目的に「イメージ改革推進会議」を立ち上げ、2019年7月から検討を重ねてきた。現在は、一つの袋に品種を混在して販売していることから戻す時間や食感や味にばらつきが出るが、新ブランドではこうした課題がなくなるという。
県内で生産されている約10品種の中から、成分や特徴が特定されている4品種を選んだ。「ゆう次郎」「にく丸」のほかは、肉厚な「115」と柔らかい「とよくに」で、袋を統一して販売する。袋の裏面にはうま味を「マイルド~濃いめ」、香りを「控えめ~強い」、歯応えを「柔らか~しっかり」の5段階で表した図を表示。好みや料理に合わせて選びやすくした。
乾シイタケは、収穫時の傘部分の開き具合によって「冬菇(どんこ)」「香菇(こうこ)」「香信(こうしん)」に分けられる。県林産振興室では「今後は『どんこ』の『にく丸』といった販売も可能になる」とする。
20日は大分市のホテルで発表会が行われた。ブランドの説明や深緑色で表したオリジナルロゴの発表があり、関係者らが「ゆう次郎の蒸しスープ」「115のトマト煮込み」「とよくに入り水餃子」を試食した。広瀬勝貞大分県知事は「うま味や機能性がそれぞれ異なる。新しいブランドを味わい、親しんでほしい」と呼び掛けた。
3月19日から大分市のトキハ本店で販売開始。来年度からは県外へ売り出していく方針で、県林産振興室では「ラグビーW杯大分開催時にファンゾーンで販売した、しいたけチップスが外国人に好評だった。ゆくゆくは海外販売も展開していきたい」としている。