別府市出身のアートクリエーター・MAKEY(マーキー)さん(34)が、富士見町(別府市富士見町6)にある壁面のコケを削り、アート作品を完成させた。新型コロナウイルスの感染拡大防止のためイベントなどが相次いで中止になる中、「みんなの気晴らしの場になってほしい」との願いを込め、新しいスポットを作り上げた。
コケアートに関心を持つ知人の勧めで「自分の町にもコケアートを描こう」と思い立ち、場所探しを始めた。コケの状態が良い、安全に見ることができる、といった理由でJR日豊線の高架側面を選び、JR別府駅の許可を受けて3月3日から3日間をかけて作り上げた。
花、太陽、月、傘、天使の羽などのイラストに「元気なまち、別府」の文字を添えた。小さな子どもや大型犬などと一緒に写真が撮れるように低い位置に描いた。
元々は、子どもたちと一緒に作る喜びを分かち合うイベントとして行うはずだったが、新型コロナウイルスの感染防止を受けてマーキーさん1人で仕上げることにした。「手掛けている最中、近所の人からたくさんの応援の声や差し入れをもらった。人の温かさを感じながら楽しく夢中で取り組めた」とマーキーさん。
作品を見た市民らからも「大学の卒業式が中止になり気分が落ち込んでいたが、作品を見て元気になった」といった声のほか「勇気をもらった」「早速、写真を撮りに行った」など多くのメッセージが寄せられているという。マーキーさんは「作品を見に来た人に元気になってもらいたい。気楽に足を運んでほしい」と呼び掛けている。