別府市のカフェ「海の見える丘のアトリエ」(別府市亀川中央町8、TEL 090-1081-9550)で現在、大分県立竹工芸訓練センター修了生3人による「アトリエ花見と竹かご展」が開かれている。新型コロナウイルスの感染拡大防止で中止となった修了作品展を受けた臨時展示会で、「カフェから見える桜の花が散るまで」、訓練生の成果を展示している。
同センターは1939(昭和14)年に開校した竹細工を学べる日本で唯一の公立学校。訓練生は2年間の学科と実習を通して別府竹細工の製作、技術、販売に関わる知識を習得する。今年は竹工芸科80期生9人が修了。2月末から技能の成果を発表する展示会を開催する予定だった。
カフェでの展示は、修了生代表を務めた愛知県出身の後藤洋司さん(26)、茨城県出身・河合紗耶香さん(34)、新潟県出身・村川鮎美さん(40)が、在校中から交流のあった店主の伊島ふじ子さんに願い出て実現した。修了後は、後藤さんは大分、河合さんは栃木と茨城、村川さんは新潟で竹細工に携わる予定で、伊島さんは「みんなが旅立つ前のちょうど良いタイミングで開催できたので良かった」と話す。
店内には学んだ技術を注いで作り上げたざるやかご、ランプシェードなど暮らしに根付いた竹細工を展示。作品の一部は購入できる。後藤さんは「自分が使いたいもの」をテーマに「卵入れ」や「犬の散歩バッグ」といった日常で使える作品を並べており、「お客さんから直接、感想が聞けるのはうれしい」と笑顔。
亀川地区の高台にあるカフェからは坂を彩る桜を見ることができる。展示期間は、花見に足を運ぶ市民らに立ち寄ってもらおうと「桜が散るまで」とした。「今年は4月の第2週までは咲いていそう」と伊島さん。後藤さんは「ゆったりとした雰囲気が広がるこの空間が好きだった」とカフェへの思いをはせ、「花見がてらに自分たちの作品を見てもらえたら」と話している。
カフェは展示期間中、連日営業。時間は11時から夕暮れまで。