別府市中心街の飲食店で、土曜・日曜の朝食を楽しむ「Good Morning Beppu(グッドモーニング ベップ)」の3月第4週開催が3月27日と28日にある。28日には食事に温泉やワークショップなどを付けた宿泊施設とのコラボ企画もあり、2月に登場したばかりの新スタイルが早くも進化を遂げている。
立命館アジア太平洋大学(APU)の卒業生ら6人でつくるクリエーティブユニット「BEPPU RISM(ベップリズム)」の主催。駅周辺や中心街に朝から営業する飲食店が少ない「街中の朝食事情」と、新型コロナウイルスの影響で苦境に立つ飲食店への「応援」を掛け合わせ、「別府で朝ご飯」という新しい切り口を形にした。活動は無償。継続と定着を視野に専用の予約受け付けサイトを立ち上げるなどして、参加店側の負担を減らしている。
第1弾は2月第3、4週(20・21日、27・28日)に実施。和食、カレー、イタリアン、ラーメン、中華のほか、ビーガン(完全菜食主義者)料理などの13店が900~1,500円の価格で特別メニューを提供した。4日間の提供数は464食で、売り上げは54万円。運営側で設定した300食・40万円を大幅に上回った。
ベップリズムがまとめたアンケート結果によると、参加13店中11店が「満足」と回答。「新しい可能性がある」「これまでと異なる客層を取り込める」「別府の飲食店だけでなく街全体の活性化につながる」「お客さまにかなり喜ばれた」と新企画を受け入れる声が多く上がった。
利用者も9割以上が最高評価の「5」を選択。「素泊まり時に朝食が取れるのはファミリーレストランや駅前のチェーン店だけだったのでとてもありがたい」「店舗を増やして定番化してほしい」「平日希望」などの声があった。ベップリズムの深川謙蔵さんは「全464件のうちキャンセルはわずか3件だった。朝食への需要の高さを数字として確認できた」と振り返る。
宿泊施設とのコラボ企画は3月28日限定。「最高の朝活」として実施する。「山田別荘」(別府市北浜3)は特製朝食に温泉と竹かご作りのワークショップを合わせたセット(6,000円)、「ホテルニューツルタ」(別府市北浜1)は「ニドムのビーガンブランチ」に温泉やナンバ歩きやすり足の原理を取り入れた「ジャポニズムストレッチ」のコース(2,000円~)を用意する。
2月開催時に利用者から朝食後のお薦めプランを尋ねられることが多かったことから生まれた企画。深川さんは「旅館の日曜のチェックアウト後という時間帯をうまく活用できれば」と話す。
「今後も朝食を軸とした多様な企画を展開できると思う」と深川さん。「『別府で朝ご飯』のスタイルが根付き、広がっていくよう頑張りたい」と意気込む。
3月は20・21日、27・28日の実施。飲食店9店と宿泊施設2カ所が参加。第3週は終了。第4週分の申し込みは26日まで。