宇佐市の福貴野(ふきの)の滝(安心院町山ノ口)で現在、岩々の間をミヤマカワトンボが飛び交う涼しげなシーンが繰り広げられている。
滝は、「雄滝」と「雌滝」の2筋に分かれて流れ落ちる。落差は約65メートル。近くには全景を望める展望台があるほか、県道50号から滝つぼに下りる別ルートもある。滝の裏側に回れることから「裏見の滝」ともされる。今年は6月5日に神事のみの滝開きを行い、本格的な夏の観光シーズンに入った。
滝つぼでは、カエルやトンボなどの水生生物が涼を求めるように跳ね、飛び回る。ミヤマカワトンボは胴体を青く光らせ、朱の羽色を岩肌に映し込む。大分市から訪れたという40代の男性は「滝を裏側から見るのは初めて。自然と向き合える貴重な時間を味わえた」と満足そうに話す。