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大分工高生7人が戦国時代の「大友氏館」を模型で復元 大分市役所で展示へ

「大友氏館模型」を完成させた大分工高生

「大友氏館模型」を完成させた大分工高生

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 大分工高建築科3年生7人が、戦国時代に豊後を統治した大友氏の館の復元模型を完成させた。半年をかけて屋根の「表情」などを精巧に再現した作品で、2月9日から大分市役所で展示されている。

材料や手法にこだわり精巧に復元

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 大分市は、大友氏の館跡(顕徳町3ほか)を歴史公園として整備している。計画では中心建物の復元整備などが盛り込まれており、大友宗麟生誕500年に当たる2030年までの完了を目指している。

 市の取り組みを知った同校の房前知光教諭が課題授業で「大友氏館模型」の制作を提案。「2030年に向けて何らかの協力になれば」と志谷颯太さん、松田颯佑さんら7人が制作に名乗りを挙げた。

 生徒は、2021年6月下旬に「南蛮BVNGO交流館」(顕徳町3、TEL 097-578-9191)を訪れ、市教委文化財課職員から大友氏や府内の歴史と町づくりについて学習。発掘調査で見つかった大友氏館跡の中心建物跡から想定される復元イメージ図を基に、50分の1模型の図面を作製した。

 中心建物は書院造りで、複数あった建築物の中で大友宗麟が謁見(えっけん)をしていたとされる。模型の屋根は、500年前の時代背景などから実際に使われていたという柿葺(こけらぶき)とした。薄い木の板を下から上に重ねながら並べる工法で、材料にはしなやかな曲線を再現できるとしてかんなくずを使った。

 「かんなくず屋根」1枚は長さ3センチ。幅は、3ミリ、5ミリ、7ミリの3種類を試作し、全体の見た目とバランスから7ミリ幅を採用した。色合いも加味して染色を施した後、およそ1000枚を敷き詰めた。鬼瓦の部分には大友氏の家紋も入れた。

 壁は厚紙、柱にはヒノキ材を使用。0.5ミリ刻みで切りそろえるなどして細部の表現にもこだわった。

 建物部分の大きさは高さ21.3センチ、幅45センチ、奥行き40センチ。完成までに80時間を要した。授業のほか夏休みなどを作業時間に費やした。

 8日は房前教諭と生徒5人が市役所を訪れ、佐藤樹一郎市長に復元模型の完成と寄贈を報告した。佐藤市長は「入念な作業が分かる精密な出来。たくさんの人に関心を持って見てもらえるようにしたい」とたたえた。

 完成品を前に副班長の松田さんは「細かいところを言えば切りがないが、うまくできたと思う。材料や工法を考えたり、実際に作ったりする時間は本当に楽しかった」と笑顔。班長の志谷さんは「みんなで協力してできた作品。実物を建てる時の参考になればうれしい」と話した。

 3月17日まで市役所本庁舎正面玄関入り口に展示する。21日からは展示場所を「南蛮BVNGO交流館」に移す。

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