大分のガレリア竹町ワザワザビル(大分市中央町3)で3月10日、大分の新しいおもてなし料理を創出する「豊後料理プロジェクト」の完成報告会が行われた。
大分市が、今年から来年にかけて開催される国民文化祭やラグビーワールドカップに合わせ、県内外からの訪客に大分の食材と食文化の魅力を伝える同事業。大分市、別府市、由布市、竹田市、豊後大野市、津久見市、臼杵市、日出町の8市町からなる「大分都市広域圏」の食材消費拡大および大分への誘客を目的に実施する。
新しい「豊後料理」の概要を決めるために、今年1月から試食会を開くなどの準備を進めてきた。関係者や市民の声を基に「メニューに大分都市広域圏産の食材を使う」「郷土料理をアレンジしたメニューを入れる」「大分の自然や歴史を盛り込んだ料理を入れる」「食材の産地を書き添える」「提供時に料理の背景やこだわりについて説明する」とした定義のほか、「弁当」「和食」「洋食」のモデルメニューを決めた。
報告会は大分市農林水産部農政課の主導で実施。佐藤樹一郎市長のほか、ホテルや観光業者ら関係者、料理を提供した吉長あゆさん(弁当)、西崎公尚さん(和食)、玉井徳裕さん(洋食)ら約40人が出席。定義とモデルメニューの説明を行ったほか、試食を振る舞った。
「弁当」は「豊後牛のりゅうきゅう仕立て」、おからを使った「きらすまめしカボス風味」など10品で「大分のあれこれをたくさん詰め込んだ」と吉長さん。「和食」は8品のコース料理で、西崎さんがサトイモの中をくり抜いてゴボウを入れ、団子で包んだ「一口で完結する」団子汁や「戸次のゴボウ畑をイメージした」というムースを紹介。5品目からなる「洋食」では玉井さんが、イノシシのジビエ料理やじり焼きをクレープ風にアレンジしたデザートについて説明した。
参加者はそれぞれのメニューを味わっては「アイデアがすごい」「大分の歴史や自然がよく分かる」などと感想を述べ合い、新しい郷土料理に舌鼓を打った。
今後は飲食店などへの普及、啓発を通して市民への浸透を図っていく予定。同課では「京都の京料理と同様に大分の豊後料理と言われるように展開していきたい」としている。
モデルメニューの「弁当」(2,160円)は「やさいのきもち」(大分市木上、TEL 090-9561-5241)、「和食」(5,400円)は「四季の味ぎんなん」(大分市中央町3、TEL 097-537-3528)で11日から味わえる(要予約)。「洋食」のデザートメニュー(600円)は「BAR PONTE」(大分市中央町3、TEL 097-536-4446)が12日から限定販売する。