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大分市の造船関連会社が臼杵の休耕地でニラ作り 新規就農の挑戦、ユーチューブで配信

新規就農でニラを生産した亀井さん(右)と松井さん

新規就農でニラを生産した亀井さん(右)と松井さん

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 臼杵市で造船関連事業を手掛ける「ネクサス」(大分市生石、TEL 097-574-4242)が6月に立ち上げた農業部門が11月に入り、同市野津町で育てたニラの初出荷にたどり着いた。知識ゼロの状態で休耕地開拓から始めた新規就農の苦闘ぶりを、ユーチューブの独自番組で伝えている。

育てたニラを刈る松井さん

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 休耕地の再利用と新規就農の促進などを目的に始めた同社の新規事業。臼杵市野津町王子にある約3000平方メートルの農地を借り、9棟のビニールハウスでニラ作りなどに取り組む。

 同社は、異業種への新規参入に際し「仕事の仕組みと流れを理解している人材」として、亀井正治(42)さんと松井征吾(41)さんを抜てきした。2人は造船時の足場施工などを監督する立場にある中堅社員。亀井さんは「全く別の仕事だが、種から農作物を作るという生産の仕事にわくわくした」、松井さんも「不安だったが新しいチャレンジは楽しみでもあった」と話す。

 農業についての知識は現場経験を積み重ねて体得していくという形でスタート。大分県農業協同組合南部事業部・野津事務所で栽培品種、土作り、肥料などについて学び、農業機器メーカーから機械の種類や使い方などを教わった。

 借り受けたビニールハウスでは、前の持ち主が作っていたニラを育てることにしたが、畑違いの分野に2人は悪戦苦闘。「農作の方法や流れは教わったが、細かい実作業をどうすれば良いか全く分からなかった」と亀井さん。「草取り一つ取っても、トラクターで土を起こしてすき込む方法が分からず、次々と生えてくる雑草を草刈り機で刈るという作業を続けていた。極めて非効率なことをしていた」と笑う。

 そうした姿を見せるうちに近隣農家が様子を見に訪れるようになり、畝作りや温度管理、病気対策といった細かなアドバイスや助け舟を出してくれるようになったという。「先輩からしてみたらまだまだ若造。一生懸命にやっていたのでその姿勢を認められたのでは」と松井さん。

 畝作りが終わり、9月に入って灌水(かんすい)システムを導入。雑草防止用のシートを張り、苗の定植を始めた。土壌の状態も良くニラは順調に育ち、11月に入って収穫できるようになった。

 初出荷は11月8日。松井さんが刈り、亀井さんが良品を選別して束ね、約20キロをケースに詰めた。「自分で食べてもおいしかったし、JAからは太くて良いものができているとの評価を受けた」と松井さん。亀井さんは「これでやっと収益を上げられる。とにかくうれしい」と笑顔を見せた。

 同社では、ユーチューブで新規就農の取り組みを紹介する「農業ファミリー」という番組を立ち上げ、これまでに50本以上を配信。ツイッターやインスタグラムでも情報を発信している。広報担当者は「『雑草の効果的な活用法』など、SNSのコメントを通して農作の方法を教わることも多い」とする。ほかにも「実際の過程を動画で見られるので参考になる」など、就農を目指す人からも反応があるという。

 挑戦開始から初出荷までの5カ月間について、亀井さんは「土壌や環境、出会った人、タイミングなどとにかく全てに恵まれた」と話す。同社でも「本当にいろいろことが運良く進み、形になった。今後もこうした小さな成功例を発信していければ」としている。

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