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別府市の就労支援事業所「リ・ボーン」 自家製果実酢の販路拡大で「自立」の道探る

フルーツビネガーをアピールする「リ・ボーン」のスタッフ(前列右が宮木代表、同左が宮脇さん)

フルーツビネガーをアピールする「リ・ボーン」のスタッフ(前列右が宮木代表、同左が宮脇さん)

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 別府市の就労継続支援事業所「リ・ボーン」(別府市鉄輪風呂ノ本、TEL 0977-75-8972)は、自社で製造・販売するフルーツビネガーが「1歳」を迎えたのを機に、通信販売用のサイトなどを立ち上げる。「付加価値」「地域色」を切り口に坂路を全国に拡大し、「自立」への一歩を踏み出す。

「もも香る不思議な苺ビネガー」と「完熟カボスの地獄蒸しビネガー」

 同事業所(宮木康勝代表)は2015(平成27)年、鉄輪温泉の一角に開設。職員数は9人で、障がい者ら36人の利用者が温泉施設管理といった屋内作業や農作業などに従事している。2018(平成30)年12月には事業の一つとして「鉄輪本舗(かんなわほんぽ)」を設立。希少種のイチゴや大分県産カボスなどを素材とした、添加物不使用の加工品の製造と販売を開始した。

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 主力商品は「もも香る不思議な苺(いちご)ビネガー」と「完熟カボスの地獄蒸しビネガー」の2種(200ミリリットル入り・864円ほか)。

 「もも香る-」には、同事業所で栽培しているイチゴ「桃薫(とうくん)」を使用。「桃とココナッツの香り」が特徴で、宮木代表が数ある品種の中から選び抜いたという。「完熟カボス-」では鉄輪温泉の蒸気で食材を調理する「地獄蒸し」を活用。同事業を統括する専務の宮脇卓也さん(50)は「一度蒸し上げることで色、うま味、香りがぐんと増すことが分かった」と説明する。

 商品力をアピールする営業活動を繰り返し、販売網を大分市の飲食店や小売店など十数カ所に広げた。「スタッフだけで作った商品が売れる喜びをみんなで共有できるようになった」と宮脇さん。

 販売1年を機に、収益の安定化を求め、これまでの対面営業に加えて全国販売の道も模索。11月下旬から、専用ホームページと通信販売用のオリジナルサイトを立ち上げる資金を募るクラウドファンディングを開始した。宮木代表は「ようやくスタートラインに立った。保護を受けずに生きていく自立の道につなげたい」と決意も新た。

 同事業所によると、就労支援事業において、自立できる独自の仕組みを持っている事業所は全国でも少ないという。宮脇さんは「高級イチゴといった付加価値のある商品を取り扱ったり、大分県のカボスや別府の地獄蒸しといった地域色を切り口にしたりすれば、自立の可能性は広がると思う」とし、「モデルケースとして成功させたい」と意気込む。